こむら返りと脱水症


次の日曜には、北海道マラソン20223年ぶりに開催されます。

本日22日現在の予報では、最高気温22℃で晴れても炎天下とはならない様子。


とはいえ予報はあくまで予報です。

当日が出走されるランナーさんにとって走りやすい天気でありますよう、陰ながらお祈り申し上げます。


フルマラソンを走られる方はご自身で経験がなくても、見たことはあろうかと思いますが、フィニッシュ直後こむら返り(運動関連筋けいれん、以降)を発症する方が多くおられます。


今回はそのこむら返りに関する論文を紹介しつつ、予防策となりうる情報を取り上げます。


こむら返りは筋疲労による神経筋制御の誤作動


こむら返りは、筋肉そのものではなく運動神経系の器官に起因する説が有力

骨格筋の収縮・弛緩センサーの役割を果たす「筋紡錘」と「ゴルジ腱器官」が誤作動を起こすことで発症すると考えられています。


神経系が筋肉を制御できなくなる要因は、競技中にかかる過度な物理的なストレス=筋肉疲労だとされています。


詳細は過去記事「こむら返りを科学する①原因とメカニズム」を参照ください。


また予防策の一つ、筋疲労を生じにくくさせる「運動前の糖質摂取」になどについても、過去記事にてご確認ください。



こむら返りと脱水症との関連性が明らかに


冒頭で申し上げた通り、この先はこれまで当ブログでは紹介しなかった論文に注目します。

発汗による体液の損失いわゆる脱水症がEAMCに及ぼす影響を体系的に調査した研究です。


対象者は、前年の運動中または運動後にEAMCを経験した男性(22.2±1.4歳)9人

異なる3日間サウナを浴びることで体重の1%、2%、3%の体液減少=脱水症を誘発させ、それぞれの前後にハムストリングスの最大随意筋収縮中にEAMSが発生する「けいれん試験」を行った結果、2%で3名3%で6名がEAMCを発症

体液の損失=脱水症がEAMSの要因であることを示唆しています。



<参考文献>
Heat-induced Body Fluid Loss Causes Muscle Cramp during Maximal Voluntary Contraction
for the Knee Flexors
Masato Ohno1, Andrew P Lavender2 and Asuka Sawai3,4
International Journal of Sport and Health Science Vol.16, 191-199, 2018

https://cir.nii.ac.jp/crid/1390564238072679168


上記のエビデンスに基づいて考察すると、脱水症に陥らないこと=脱水症予防策はそのまま、こむら返りの予防策として有効であると考えられます。

脱水症予防は、こまめな水分補給を心がけることに尽きます。


1回100~200㎖のコップ1杯程度の水を、起きている間は1~2時間置きに何回も飲むと良いでしょう。


エントリーランナーであれば、レースの1週間前から1日合計2リットルほど水分を摂取する、ウォーターローディングで筋肉に十分な水分を蓄えておくと良いと思います。


コンディショニングの一つとして採り入れ、納得の走りで夏を締めくくっていただければうれしいです。

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