top of page

骨とビタミンD④活性型ビタミンD製剤

シリーズ4回目となる最終回は、ビタミンD不足を補う薬=活性型ビタミンD製剤の話題を取り上げます。

これまで述べた通り、骨や筋肉を健やかに維持するにはビタミンDの充足が重要で、日常生活においては、食べ物や日光浴でビタミンDを補給できます。


天然型ビタミンDは、肝臓と腎臓で代謝され活性型ビタミンD3となり、小腸からのカルシウムの吸収を促進させ骨量の減少を抑える働きをします。


薬物治療では、肝臓や腎臓などでの活性化を受けずにビタミンD受容体と結合して作用を発揮する、下記のような活性型ビタミンD製剤を用います。


アルファカルシドール(1a-ヒドロキシビタミンD3)=肝臓で25位が水酸化されカルシトリオールに転換

カルシトリオール(1a,25-ジヒドロキシビタミンD3)=ビタミンDの最終活性化合物

エルデカルシトール[2β-(3hydroxypropyloxy)-calctriol]=より強力な骨業増加作用を持たせることを目的として合成されたカルシトリオールの誘導体


それぞれ腸管からのカルシウム吸収促進作用、骨塩溶解作用、骨形成作用などを示しますが、下記にエビデンスに基づく活性型ビタミンD製剤の種類と特徴をまとめてみました。


臨床試験のメタ解析*1によると活性型ビタミンD製剤であるアルファカルシドールとカルシトリオールの「腰椎骨密度上昇効果」「椎体および非椎体骨折抑制効果」は、いずれも天然型ビタミンDに比較して優れていると報告されています。



また転倒抑制効果に関連した臨床試験*2においては、アレンドロネート(破骨細胞による骨吸収を抑制する薬剤)単独よりもエルデカルシトール併用の方が、運動機能改善に優位性を示すとの報告もあります。


ただし、には効果(ベネフィット)同時に副作用(リスク)があります。


また過量投与を防ぐため薬物治療中には血清カルシウム値の定期的測定を行い、正常値を超えないよう投与量を調整することも重要です。


できるだけ副作用を抑え効果を引き出すには、患者さんの理解と協力が必要です。


ビタミンDを上手に摂取し、骨や筋肉の不具合を克服していきましょう。

特に骨粗鬆症が気になる方は、ぜひお近くの整形外科専門医を受診してください。




<参考文献>
*1  Richy F, Schacht E, Bruyere O, Ethgen O, Gourlay M, Reginster JY. Vitamin D analogs versus native vitamin D in preventing bone loss and osteoporosis-related fractures: a comparative meta-analysis. Calcif Tissue Int. 2005 Mar;76(3):176-86. doi: 10.1007/s00223-004-0005-4. Epub 2005 Feb 7. PMID: 15692726.

*2  Nakamura T, Takano T, Fukunaga M, Shiraki M, Matsumoto T. Eldecalcitol is more effective for the prevention of osteoporotic fractures than alfacalcidol. J Bone Miner Metab. 2013 Jul;31(4):417-22. doi: 10.1007/s00774-012-0418-5. Epub 2013 Apr 11. PMID: 23575909; PMCID: PMC3709079.

最新記事

すべて表示

Comments


ご理解とお願い 免責事項

  • 院長ブログの記事は執筆者個人の考えに基づく内容です。

  • 記事中にある提案等は、自己責任にて実施いただきますようお願い申しあげます。

  • ブログ記事の情報を用いた行為における損失・トラブル等に対して、執筆者は何ら責任を負うものではありません。

  • ブログ記事は予告なしに内容変更や削除することがございます。

  • ブログ記事の内容に関してメール等を通じての個別の相談は受け付けておりません。

bottom of page