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熱中症のエビデンス②計画的に水分補給を

2023年の夏は、世界じゅうで猛烈な暑さとなっています。

欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービスによると、地球の平均気温は2023年7月6日に史上最高を更新。国連のアントニオ・グテーレス事務総長は「地球は沸騰化の時代」に入ったと述べています。

日本においても熱中症による死亡事故が多く報じられています。

環境庁の熱中症予防サイトで情報を提供している暑さ指数(WBGT、気象庁の資料に基づいて独自の方法で算出した数値)や熱中症警戒アラートを参考に、命や健康を最優先とした行動をとっていただけますことを願います。



熱中症予防の具体策につきましては、当ブログの過去記事もご参照いただければ幸いです。



さて熱中症のエビデンス2回目は、水分補給に関する研究※に着目します。

運動によって誘発される脱水症は、パフォーマンスに悪影響を与える可能性があります


同研究では、あらかじめプログラムされた水分補給( PFI )と喉の渇きに基づく水分補給( TDFI )が、持久力や筋けいれん( EAMC )に及ぼす影響を比較しました。

参加者は平均年齢26歳、平均体脂肪率8%の男性・持久系アスリート8名です。


室温30℃、相対湿度35%の環境で、5時間の固定強度ロードサイクルワーク後に20kmのタイムトライアルを実施。


PFIでは運動中15分ごとに固定容量で水分を摂り、TDFIでは喉の渇きの感覚に応じて水を消費し15分ごとにその消費水量を測定しています。


主なポイントは以下の通りです。

  • 5時間の固定強度運動における水分摂取量はプログラムされた水分補給( PFI )の方が、喉の渇きに基づく水分補給( TDFI )より優位に多かった

  • 尿量も上に同じく、PFIの方がTDFIよりも優位に多かった

  • 5時間の固定強度運動から20kmタイムトライアルに移行する5分間の心拍数は、PFIの方がTDFIよりも優位に低かった

  • 直腸温については、5時間の固定強度運動の終了時点からタイムトライアル終了にかけて、PFIの方が有意に低い値で推移した。

  • 20kmタイムトライアル中の平均パワーはPFIが278±41W、TDFIが263±39W。PFIの方が有意に高かった(p<0.05)。

  • 20kmタイムトライアル中の走行タイムはPFIが 31.8±1.7分、TDFIが32.5±1.9分。PFIの方が速かった(p<0.05)。

  • 運動誘発性筋けいれんについて、有意差はなかった。


論文では結論として、温熱環境で5時間以上のレースを行う自転車競技選手は、PFI=プログラムされた水分補給を採用することによって、レース後半に高いパフォーマンスを発揮できる可能性を示しています。


レースや試合で結果を出したいアスリートはもちろん、暑い環境で長時間の作業に従事される方やトレーニングをする方は、スマフォのアラーム機能などを利用し15分ごとに水分補給することがコンディションを良好に整えるのに良いようです。


その際には水と一緒に塩分もしっかり補給してください。

塩分補給には、以下のものをご利用いただればと思います。

  • スポーツドリンク

  • ゼリー飲料

  • 塩飴、塩タブレット

  • 塩こんぶ

  • 塩ようかん

  • 梅干し


<参考文献>
※ Jeker, D.; Claveau, P.; Abed, M.E.F.; Deshayes, T.A.; Lajoie, C.; Gendron, P.; Hoffman, M.D.; Goulet, E.D.B. Programmed vs. Thirst-Driven Drinking during Prolonged Cycling in a Warm Environment. Nutrients 2022, 14, 141. https://doi.org/10.3390/nu14010141

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