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ジュニア選手のケガ予防⑤足首の捻挫:初期の処置

3月も下旬に入り当クリニック周辺でも雪解けが進んできました。

屋外での活動がしやすくなり身体を動かす機会が増える春先に気を付けたい疾病の一つが「足首の捻挫」です。

捻挫の発症要因は、ふだん身体を動かす習慣のない方が急に運動を始めたり、子ども同士ふざけ合ったり、ちょっとした段差でバランスを崩したりなど日常生活にも潜んでいます


研修会「ジュニア期に起こりやすいケガ」の抜粋紹介シリーズ5回目のテーマ「足首の捻挫」は、活動的になる今時期ご注目いただきたい話題ともいえるでしょう。



足首の捻挫のほとんどは、急激な外力により足首が内側に捻じられ、外側の靭帯(後距腓靭帯、前距腓靭帯、踵腓靭帯)を損傷する内反捻挫(ないはんねんざ)です。


靭帯が伸びたり切れたりして、受傷部に痛みや腫れが生じ歩行困難を伴います。



捻挫などのスポーツ障害は受傷直後にRICE処置とよばれる応急処置を行うことで、ダメージを最小限に抑え回復を早めることが可能となります。

RICEはRest(安静)・Icing(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)を意味します。


RICE処置に関する詳しい内容は過去記事「肉離れ④応急処置と治療」をご参照ください。


慢性的な痛みや筋肉疲労にもアイシングが効果的


捻挫などケガの場合、急性の痛みや腫れは患部を冷やすことで毛細血管が収縮し、炎症を起こした組織からの出血を抑えて腫れを防止します。

1回20分ほど患部がしびれて感覚がなくなるまで冷やし、1~2時間立った後に同様に冷やす治療を72時間ほど継続します。

ただし高齢者や糖尿病などは血液循環の悪い方は冷却時間が長いと凍傷になる恐れがありますので、1回10分ほどに留めてください



また慢性的な痛みや運動後の疲労回復にもアイシングが有効です。

テーマから少し離れますが、アイスバス(冷水浴)や手掌前腕冷却はパフォーマンスを高める効果が近年の研究で実証されてます。

興味のある方は過去記事をご参照ください。


激しい痛みやひどい腫れがある場合は、靱帯断裂や骨折の可能性があります。

また長く改善されない場合は、他の疾患の疑いもあります。


もし足首を捻じって捻挫をしてしまったら、まずRICE処置を行うこと。

そのうえで整形外科など専門の医療機関を早めに受診するのが得策です。


次回は「足首の捻挫:治療と予防」について取り上げます。


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