Stopロコモ④食べるロコモ予防
- 院長 原 則行
- 4月29日
- 読了時間: 3分
ロコモ予防をテーマとするシリーズ4回目は「食べるロコモ予防」についてご紹介します。
STOPロコモの②ロコトレ ③腰痛・膝痛対策で紹介した運動に取り組んでも、きちんと食事を摂らなければ骨や筋肉が衰え、ロコモになってしまう可能性があるからです。
少食や偏食はロコモにつながる
ロコモにつながってしまう食事の特徴は、
食事作りが面倒で食事を抜く、麺メニューやパンだけで済ます
噛む力が衰えてしまい肉などを食べない
メタボの対策として食事量が極端に少ない、野菜しか食べない
などが挙げられます。
上のような食生活、いわゆる少食や偏食を続けていると筋肉や骨が脆弱になり、ロコモへとつながってしまいます。
シニア世代はもちろん、成長期にあるジュニア世代など全世代を通し、筋肉や骨の素となる栄養素を積極的に摂るよう心がけましょう。
筋肉や骨の健康を支える「タンパク質」「カルシウム」 「ビタミンD」「ビタミンK」
筋肉や骨に関わる栄養素としては、
筋肉や骨の素となる「タンパク質」
骨の素となり骨を強くする「カルシウム」
カルシウムの吸収を高める「ビタミンD」
骨の形成や骨質の維持に働く「ビタミンK」が挙げられます。
これらを含む食品を、毎日の食事からバランス良く摂取することがロコモ予防になります。
左に紹介する食品類を、積極的に食べていただければと思います。
また全てを食事で摂ることが難しい場合は、サプリメント(栄養補助食品)を利用するのも良いと思います。
また過去に「骨とビタミンD」について紹介したシリーズ記事がありますので、よろしければこちらもご一読いただければ幸いです。
多種多様な食品を食べることもロコモ予防の対策に
65歳以上の日本人935人を対象に4年間に渡り行われた研究※によると、色々な種類の食品を摂った人は
タンパク質やビタミン、ミネラルを多く含むおかずを中心とした「栄養素密度の高い食事」を反映していることが示唆され、
四肢骨格筋量の低下リスクが抑制される傾向がみられ、
身体機能(握力、通常歩行速度)が高いことが示された
との調査報告があります。
※Yokoyama Y, Nishi M, Murayama H, Amano H, Taniguchi Y, Nofuji Y, Narita M, Matsuo E, Seino S, Kawano Y, Shinkai S. Dietary Variety and Decline in Lean Mass and Physical Performance in Community-Dwelling Older Japanese: A 4-year Follow-Up Study. J Nutr Health Aging. 2017;21(1):11-16. doi: 10.1007/s12603-016-0726-x. PMID: 27999844.
多くの食品を摂る合言葉「さあにぎやか(に)いただく」を念頭に、毎日の食事で下記表のスコアの7点以上をめざしましょう。
さかな | 動物性タンパク質が豊富 | 点 |
あぶら | 適度な油脂分は細胞などを作るのに必要 | 点 |
にく | 良質なタンパク質の代表 | 点 |
ぎゅうにゅう | タンパク質とカルシウムが豊富 | 点 |
やさい | ビタミンや食物繊維が摂れる | 点 |
かいそう | 低エネルギーでミネラルや食物繊維が摂れる | 点 |
いも | 糖質でエネルギー補給。ビタミンやミネラルも含む | 点 |
たまご | 色いろな調理法でタンパク質が手軽に摂れる | 点 |
だいず | タンパク質の素となる必須アミノ酸、カルシウムが豊富 | 点 |
くだもの | ビタミン、ミネラルが豊富。食物繊維が摂れる | 点 |
食べたもの=1点 食べなかったもの=0点 合計 | 点 |
次回は「ロコモ三大疾患」についてご紹介します。