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熱中症のエビデンス④水分量も意識して

9月1日、北海道では45日ぶりに真夏日ではない一日となりました。 本州でも猛烈な暑さではないようですがまだ残暑は厳しく、台風の影響などで湿度の高い日もあるとのこと。まだしばらく熱中症に注意しましょう。


前々回の記事では水分を補給するタイミング=時間に言及しました。今回は摂取する水分の量に関する研究成果を紹介します。

競技中の水分補給量を評価する目的で行われた研究※1で、スペインのサッカー連盟の公式試合に出場した12歳から16歳の選手306人が、参加しました。


選手は試合中いつでも水分を自由に摂取できる状況にありましたが、水分摂取量は229.35±211.11mLで、約10%の選手が水分を全く摂らなかったそうです。

試合前後での測定では、脱水状態の目安とされる2%超の体重減少を示した選手が23.3%を占め、64.9%の選手は1.020以上の濃縮尿であって脱水リスクが認められています


同研究では「成長期のアスリートは、水分補給を本人に任せるのではなく、摂取すべき最低限の水分量を設定し補給を促すマニュアル整備が必要である」と説いています。


上記の参加者は日本の中学生にあたるサッカー選手でしたが、上記は全ての年代の全ての人にあてはまるのではないかと私は思います。

喉が渇いていなくても、一定時間ごとに一定量の水分補給をすることが熱中症を防ぐ対策になるといえましょう。


シリーズの締めくくりに、「熱中症」と「マスク」との関連性を追究した論文を2つ紹介します。


1つめは、サージカルマスクの着用が生理的に影響を及ぼすかどうかを調べた研究※2です。

20名の被験者が、心拍数、呼吸数、酸素飽和度、経皮的二酸化炭素濃度、体温、皮膚温、マスク内の湿度・温度をモニターしながら、5.6 km / hで1時間ウォーキングを行った結果、マスクを着用していても臨床的に重大な生理学的影響はなかったと結論付けています。


2つめは、マスク着用で酸素飽和度が低下するかどうかを調べたカナダの研究※3です。

25名の高齢者が非医療系の三層式マスクを着用し、マスクを着ける1時間前・マスク着用中・マスクを外した1時間後の酸素飽和度をポータブルオキシメーターで計測

結果は96.1%(着ける前)、96.5%(着用中)、96.3%(外した後)となり、マスク着用によって酸素飽和度は低下しないことが示されています。


上記からマスク着用は熱中症とは無関係であるとわかります。

とはいえマスクを着けていると、マスク内に熱や湿気がこもって不快に感じます

ですので、時と場に応じた選択をしていただければと思います。




<参考文献>
※1
Fernández-Álvarez MDM, Cachero-Rodríguez J, Leirós-Díaz C, Carrasco-Santos S, Martín-Payo R. 「Evaluation of Water Intake in Spanish Adolescent Soccer Players during a Competition. J Hum Kinet.」 2022 Sep 8;83:59-66. doi: 10.2478/hukin-2022-0051. PMID: 36157942; PMCID: PMC9465763.

※2
Roberge RJ, Kim JH, Benson SM. 「Absence of consequential changes in physiological, thermal and subjective responses from wearing a surgical mask.」 Respir Physiol Neurobiol. 2012 Apr 15;181(1):29-35. doi: 10.1016/j.resp.2012.01.010. Epub 2012 Feb 2. PMID: 22326638.

※3
Chan NC, Li K, Hirsh J. 「Peripheral Oxygen Saturation in Older Persons Wearing Nonmedical Face Masks in Community Settings. 」JAMA. 2020;324(22):2323–2324. doi:10.1001/jama.2020.21905

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