2022年の大寒は1月20日(木)。
大寒の前後から2月上旬にかけては、年間で最も気温が低くなる時期です。
この頃、路面の凍結などによる転倒事故が多くなります。
今年は全国各地で雪が降り、雪道の歩行に不慣れな地域の方は特にお気を付けください。
雪道で転倒した場合の対処法 については、過去記事をご参照ください。
転倒事故で懸念されるのが打撲と骨折です。
とっさに手を突くことで、手指や手首、肘が傷つくことはよくあります。
時には強い衝撃によって骨折していることもあります。
特に高齢者など骨粗しょう症で骨がもろくなっている方は、骨折のリスクが高いです。
なるべく早い段階で、整形外科を受診し検査を受けると安心でしょう。
けれど実際には多くの方が、
「湿布を貼って動かさないようにすれば、そのうち痛みはひくだろう」と、自分で処置されていることでしょうか。
痛みや腫れがひけば、それで問題ないとは思います。
けれど、くれぐれも患部をむやみに動かさないようご注意ください。
悪化させてしまいかねません。
痛みの度合いだけで打撲か骨折かを診断することは私たち、医師でも不可能です。もし、
時間が経つにつれて腫れてきた
数日たっても痛みが治まらない
転倒時よりも痛みが増してきた
という時は、迷わず整形外科を受診しましょう。
転んで手を突いた時の代表的な上肢の損傷
肘から手首にかけて腕の親指側に橈骨という骨があります。
転倒して手を突くとこの橈骨を骨折することが多く、特に手首に近い部位は骨粗しょう症による骨折の好発部位です。
肘まわりが痛む時は、肘関節部にある橈骨頭を骨折している可能性があります。
橈骨頭は腕をひねる動作により上腕骨、尺骨との間で回転する肘関節を形成しますので、骨折が治癒しても変形が残れば、痛みや機能障害が残る恐れがあります。
骨折部のズレが大きい場合、手術が必要になります。
ズレが小さい状態であれば、ギプスで固定しリハビリを行います。
時に全くズレを生じていない骨折(いわゆる ひび)ですと、X線で骨折が判明しないケースがあります。
X線検査で骨折を認めない場合、MRI検査により骨折を判定します。
当クリニックは、閉所恐怖症の方やお子様にも安心して検査を受けていただけるオープンタイプのMRIを導入しています。
また手を突いた際の肘の角度によっては、靱帯や尺骨の損傷を生じることもあります。
肩関節を痛める方もおられます。
損傷をしている部位や状態を正確に診断することが重要です。 また筋肉痛とは異なるため、揉んだり、叩いたり、ほぐしたりするのは厳禁です。
当クリニックでは、超音波骨折治療器アクセラスによる治療も行っています。
これは超音波を用いて骨折をより短期間で治す技術(超音波骨折治療法)を利用した治療器具です。
適切な治療を早期に行なうことで、スムーズな回復が望めます。
お気軽にご相談ください。
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