今回から数回にわたり「骨と筋肉Q&A」シリーズにて、ブログを展開して参ります。
世間に流布する風説の真偽、最新の健康情報などを紹介いたします。
第1回目は「砂糖」と「骨」にまつわる風説の真偽に注目します。
Q.「砂糖を食べると骨が溶ける」というのは本当ですか? A. いいえ、砂糖を食べて骨が溶けることはありません。
繰り返し強調しますが、砂糖が骨を溶かすことなど、一切ありません。
ある調査によると
砂糖はカルシウムを奪い、骨を弱くする
砂糖を食べると血液が酸性になる
牛乳に砂糖を加えるとカルシウムの吸収が阻害される
などの骨に対する砂糖の有害説を信じ込んでいる方は、決して少なくないそうです。
私は直接、患者さんから問われた経験はありませんが、困ったことに、
医療現場においても、実はまったくない話ではないのが現実です。
大元は昭和10年代、ある学者によって唱えられた「酸性食品である砂糖を食べると、体の酸性化を防ぐために、カルシウムが中和の目的で消耗する」という説とのこと。
それが昭和50年代頃からマスメディアで取り上げられるようになり、瞬く間に広まったようです。
けれど、科学的に正しくない説であることは、明らかです。
人間の身体には本来、血液を中性に保つ働きがあり、特定の食品を摂取したことで酸性やアルカリ性に偏ることはありません。
そして、そもそも砂糖は酸性食品ではないのです。
現代の栄養学からすると、とんでもないガセネタ説と断言できるでしょう。
砂糖はブドウ糖と果糖から成る炭水化物です。
炭水化物を主成分とする食品には、米やパン、ジャガイモなどが挙げられます。
身体に摂り込まれれば、消化酵素などの働きによって、砂糖も、米も、パンも、ジャガイモも、最終的には同じブドウ糖になります。
仮に砂糖が骨に悪影響を及ぼすのであれば、米も、パンも、ジャガイモも、みんな骨に悪影響があることになります。 もちろん、そんな悪影響はあり得ませんので、ご安心ください。
ブドウ糖に分解される過程で、身体の骨のカルシウムと反応することはないからです。
前回までにご紹介した骨粗鬆症など、骨がもろくなる病気はありますが、その原因は「砂糖」ではありません。
砂糖に限らずどんな食品でも摂りすぎはよくありませんが、
「骨に悪いから、甘いものを食べたいけれど我慢する」必要はないのです。
適度な糖分補給は、ストレス解消にも効果があります。
誤った認識を正し、科学的に根拠のある情報を伝えていければ幸いです。
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