発症のメカニズム
肉離れは主にスポーツ中、筋肉が収縮している時、正反対の伸ばされる力が加わることによって起こる筋肉の断裂です。
「神経と筋肉の連携ミス」により誘発されると言われています。
身体は、脳から神経を通って指令が伝わることで筋肉が収縮し、関節が曲がり動きます。通常は、収縮する筋肉と拮抗(きっこう)する筋肉は弛緩(しかん)しています。けれど脳からの伝達が上手くいかないことで、本来は緩んでいるべき筋肉も伸縮してしまい、肉離れを起こします。
急激な運動を求めたような時に、伝達ミスが起こりやすいようです。
発症の原因①【内的要因】
柔軟性の欠如
筋力のアンバランス・筋持久力の低下
大腿二頭筋を含むハムストリング(太もも後ろの筋肉)の筋力は、大腿四頭筋(太もも前の筋肉)の筋力よりも、60%以上の強さが必要といわれています。
筋、関節の協調性の低下
股関節周囲の柔軟性も関係しています。
ウォーミングアップ不足
筋肉を十分に温めた状態で運動をしないと、肉離れを起こしやすくなります。
不適切なフォーム
着地時に下腿の振り出しが大きいと、ハムストリング(太もも後ろの筋肉)の肉離れが起きやすくなります。
不完全なコンディショニング
全身の筋肉の疲労も関係します。筋機能の低下が起こり、肉離れを起こしやすくなります。
関節の安定性
発症の原因①【外的要因】
天候
気温が低かったり、雨に濡れ体温が奪われたりする環境のもとでは、筋肉の温度が上がらず、肉離れを起こしやすくなります。
練習場のサーフェイス
クッション性に乏しく場所では、筋肉への衝撃負荷が大きくなります。
試合スケジュール
疲れがとれない状態で無理をして出場することで、神経と筋肉との連動ミスが生じやすくなります。
今この時期の運動について
新型コロナウイルスによる休校や大会・活動の自粛が、肉体的にも精神的にも大きなストレスにつながっているように思います。
そうしたストレスの解消や免疫力の維持・向上に通常、適度に身体を動かすことは有効です。とはいえ、長く運動を控えていたにも関わらず、十分な準備をせずに急に激しく動くなどすると、肉離れが起きやすく、ウイルスへの抵抗力低下も懸念されなます。
入念にウォームアップを行う
軽めのメニューを組む
多くの人と接しない時間や環境で動く
しっかりクーリングダウンをする
運動後に身体を冷やさない など、
感染症への対策も万全に整え、絶対に無理をせず余裕のある範囲の運動を続けることを推奨します。
次回は、肉離れの予防に関する話題を取り上げします。
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