新生活様式とフレイル

「動かない」生活が続くと「動けなくなる」懸念が


新生活様式における健康問題2回目は、フレイル(虚弱)をテーマにとりあげます。

フレイルとは主に加齢によって身体が弱った状態をいいます。

右図の通り介護が必要となる前の段階で、要介護になるリスクが高い反面、適切な取り組みによって健康な状態へと戻れる可能性があるステージをさします。


筋力口腔機能の低下など身体的要素に加え、こもりがちになるといった社会的要素、意欲や認知機能の低下といった精神的要素が含まれます。


高齢者(65歳以上)の8.7%がフレイルであり、プレフレイルは 40.8%を占めると報告されています。

Murayama H, Kobayashi E, Okamoto S, et al. National prevalence of frailty in the older Japanese population: Findings from a nationally representative survey. Archives of Gerontology and Geriatrics, 2020.


COVID-19感染拡大の影響で日常生活が不活発化したことで、フレイルリスクが高くなっているとの知見が多くあります。 感染拡大前にはフレイルに該当しなかった元気な高齢者(65~84歳)を対象とした調査研究を一例に挙げますと、運動時間が第 3 波後には40%減少。 中でも社会的な活動をしていない一人暮らしの高齢者は61.9%と大幅に減少し、フレイルに至る可能性が高いことを示唆しています。

The Influence of the COVID-19 Pandemic on Physical Activity and New Incidence of Frailty among Initially Non-Frail Older Adults in Japan: A Follow-Up Online Survey Minoru Yamada,corresponding author1 Y. Kimura,2 D. Ishiyama,2 Y. Otobe,2 M. Suzuki,2 S. Koyama,2 T. Kikuchi,2 H. Kusumi,2 and H. Arai3 J Nutr Health Aging. 2021; 25(6): 751–756.


フレイルは高齢者だけの問題ではない


フレイルは高齢者の話だから、自分の世代には関係ない、と侮ってはいけません。


在宅勤務オンライン授業などで家から出なければ、運動量はぐんと落ちます

その運動不足が体重増加につながらないように、食事を制限する人も実際、少なくないと思います。

運動不足と栄養不足の状態を続けると、筋肉量の低下=サルコペニアを招きます

サルコペニアはフレイルの最大要因ですから、世代に関係なく注意が必要です。


またオーストラリアの研究チームによる調査では、40代の45%に「フレイル」の前段階である「プレフレイル」が見られるとの結果を報告しています。

Gordon SJ et al., "Pre-frailty factors in community-dwelling 40-75 year olds: opportunities for successful ageing", BMC Geriatrics, 20(1):96, 2020.

一般的に筋肉量は20・30代でピークを迎えて以降少しずつ減少します。

若い頃の「貯筋」が多ければ、サルコペニアやフレイルを防げる可能性があります。


バランスの良い食事と口腔ケアを心がけ、運動に取り組み、社会活動に励んで、フレイル予防に努めましょう。





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