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変形性膝関節症の薬物療法②

執筆者の写真: 院長 原 則行院長 原 則行

更新日:2020年11月23日


注射での治療は、膝痛などの緩和を主目的とした薬物療法

変形性膝関節症を注射で治療する方法は、薬物療法に分類されます。


前回ご紹介した外用薬や服薬と同様に注射も、目的は、痛みなどの変形性膝関節症に伴う症状を緩和することにあります。

なぜなら現代の医学をもってしても、一度損傷してしまった関節軟骨を元通りの健康な状態へ再生させることは不可能だからです。


注射による治療は、関節腔内注射としてヒアルロン酸注射が代表的です。

けれども痛みが酷く早期に鎮静化する必要がある場合などには、ステロイド剤など局所麻酔薬の注射を行うこともあります。

それぞれの目的や効果、メリットとデメリットを、表にまとめましたので参考にしてください。


水を抜くとクセになる?

「水を抜くとクセになる」といった声を、よく耳にします。

決して「クセになる」のではなく、「何度抜いてもまた膝に水がたまるくらい膝に炎症が起きている」状態だから、繰り返す結果に至るだけです。


水を一抜いて一旦楽になったとはいえ、イコール完治したわけではないことを忘れてはいけません。


放置しておくと以下のように悪化してしまいます。

  • たまった水が軟骨を破壊する.

  • たまった水で関節がゆるくなる.

ですから膝にたまった水は抜いた方が良いです。

水を抜くこと自体に、リスクはありません。


いずれの場合も、針穴からの細菌感染には注意が必要です。

注射治療を受けましたら、数時間絆創膏を貼りましょう。


また膝が楽になったからといって、不用意に膝に負担をかけると、病状を悪化させる可能性があるということも理解して生活をしてください。



サプリメントは効く? 効かない?

これも膝痛で通院されている患者様から、よく聞かれる質問です。

私は、「痛みの軽減に多少の効果がある可能性はあります。けれど医学的な証明には乏しいです」とお答えしています。


サプリメントとは、精密な試験によって効果が判定した医薬品ではなく、最小限の安全性が確認された食品の一種です。

第一の目的は栄養補助であり、劇的な効果は期待できません。

ただ心情的な側面から、プラセボの作用が得られることもあるかもしれません。


とはいえ、変形性膝関節症などの疾患は進行性です。

膝の状態を精密に調べ、早期に状態に適した治療を行うことが大切になります。


かけがえのないご自身の健康のため、そして安全のため、貴重なお金や時間を無駄に費やすことのないよう、最大限の注意が必要かと思います。


次回は、膝の痛みを悪化させない生活の工夫などについて、お話したいと思います。


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