日本は世界トップクラスの長寿国ですが、いかにして「健康寿命」を伸ばすかが重要になってきています。
骨粗鬆症を防ぎ強く健康な骨を維持することは、健康寿命を延ばすにつながります。
前回まで、そのための食事療法や運動療法についてお話をして参りました。
今回は薬物療法などについてご紹介したいと思います。
患者さんの症状などに応じた治療薬が続々登場
骨粗鬆症の薬は大きく3つに分けられます。
これらから、患者さんの症状などに合った薬を選択して治療にあたります。
治療薬の研究開発が進み、
従来よりも効果が期待できる薬、
継続しやすいよう投与間隔や薬の形状に配慮された薬
なども続々、登場しています。

きちんと効果を得るには、薬の用法や容量をきちんと守る必要があります。
薬ごとに飲むタイミングや注意することが異なりますので、必ず医師や薬剤師の指示を守って飲みましょう。
効果が表れるのは1・2年後 治療は気長に根気よく
薬物治療を開始しても、すぐ劇的な改善が望めるわけではありません。
個人にもよりますが、痛みが取れたり、骨密度が上がったりという効果が表れるまでには、1~2年ほどかかります。
処方薬を服用し、適切な食事や運動を行う生活をきちんと続けることにより、効果が表れ始めます。
残念なことに、短期間では期待したような効果が得られないことから、自己判断で薬を中断してしまう患者さんも少なくないようです。
1年後、約5割の患者さんが処方通りの服薬を継続できていないという報告もあります。

骨粗鬆症の治療は、気を長く根気よく取り組むことで、少しずつ改善していきます。
もし薬が飲みにくかったり、決まった時間の服薬が難しかったりする場合、医師や薬剤師に相談しましょう。
無理なく長く続けていける方法を、一緒に考えて支援します。
太陽を浴びる生活習慣で、骨を強く健康に、心にも潤いを

カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、紫外線を浴びることで、体内でもつくられます。
適度な日光浴は骨を強く健康にするのに、とても役立ちます。
ですから屋内で過ごす時間が長い冬や、家にこもりがちな方は、意識的に外に出るように心がけたいものです。
とはいえ夏の日差しを長時間浴びることは、悪影響が多いのでお薦めできかねます。
夏は、暑さをしのげる木陰などで20分ほど過ごせば十分かと思います。
運動をかね外出する時間をつくり、日光浴を生活習慣にしていきましょう。
骨を丈夫にするのはもちろん、心の健康づくりにもとても良いと思います。
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