半月板とは?
半月板は右図(膝の構造)の通り、膝関節内にあるC型をした板状の組織で、内側と外側に1対あります。骨と骨の間に挟まっていて、衝撃を吸収するクッションのように関節に加わる体重の負荷を分散させる役割と、関節の位置を安定にする働きをしています。
半月板損傷とは?
その原因は?
半月板が傷つく、割れる、欠ける、亀裂が入る、といった状態のことを「半月板損傷」といいます。
膝は曲げたり伸ばしたりしながら、ねじったり滑ったり等の複雑な動作をします。その動きを補助する半月板には大きな負荷がかかり、加齢(年月の経過)に伴い擦り減っていきます。
体重が加わった状態で膝をひねったり、衝撃が
加わったりすることで損傷を起こす、スポーツ外傷でよくみられます(外傷性)。
また高齢者等では、ささいなケガや日常生活動作で損傷することがあります(非外傷性)。
半月板損傷の症状は?
膝に疼痛が生じます。
膝の曲げ伸ばしをした時に引っかかり感が現れます。
悪化すると、膝に水(関節液)がたまったり、急に膝が動かなくなるロッキングという状態になり、激痛のため歩けなくなることもあります。
診断と治療ついて
MRI検査を行います(下の写真を参照)。靱帯損傷の合併の有無も同時に評価できます。
主な治療法には、保存療法と手術療法があります。
【保存療法】
症状および検査(MRI)結果が軽症の場合に有効です。
【手術療法】
関節鏡(1cmの小さな切開が2つで手術が可能)を用いての半月切除術や修復術(ラスピング、縫合術)等の外科的治療を行います。
関節鏡手術の入院期間は、平均5日間です。
半月板損傷かもしれない…と思ったら
半月版には、軟骨にかかるストレスを減らす重要な役割があるため、できる限り温存する(残す)ことが重要です。ですから
日頃から筋力の維持・向上を心がけ、ストレッチ等を行う。
半月板損傷が疑われた時は、患部をなるべく動かさないようにして、早期に専門医の診断・治療を受ける。
ことが大切です。また、
治療や手術の後は適切な時期から、少しずつ運動やマッサージ等を医師の指示のもとに始める。
ことにも心を配り、健康寿命を長く保ちましょう。
次回は、40歳代のランナーの症例を紹介します。
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