足の健康と靴の関係②ゆとりのある靴の危険性

前回は、外反母趾は年齢や男女に関係なく起こることをお伝えしました。

今回は、「ゆとりのある靴の危険性」について取り上げます。


Q.ゆとりのある靴は足にいい?
A.いいえ。むしろ足に悪影響が考えられます。

悩ましいことに、「幅が広くてゆったりとした靴は足にいい」という認識が、一般に根強く浸透しています。コンフォートシューズと呼ばれたりもします。

この考えは、ほぼ100%間違いであるといっても過言ではありません

幅が広くゆとりのある靴を履くと「痛みがなく快適(=コンフォート)に感じる」というのは、その場だけの履き心地のことであって、足の健康には悪影響があります。

長時間、幅広の靴を履き続けることで、足の前方の一部分に負荷が集中し、横アーチが崩れて開張足になりやすくなります。

さらに履き続ければ、外反母趾になる可能性も高まります。

また既に外反母趾の方が幅広の靴を履き続けると、変形が進行してしまうでしょう。


多くの方が「自分は幅広甲高である」と誤解しています。実際には幅細であるにも関わらず、です。

幅の細い方が幅の広い靴を履くのは、ぶかぶかのスリッパを履いているのと同じ。靴の中で足が滑らないよう、足指がふんばっている不自然な状態です。

足だけではなく、腰痛など全身への悪影響につながる可能性もあります。


もちろん靴は小さすぎても、大きすぎても、よくありません

信頼のおけるフィッターさんに、一度ご自身のサイズを正しく測定してもらうと安心です。



Q.足が痛い時は、ゆるい靴を履けばいい?
A.いいえ。きちんと靴ひもを締めることで痛みの軽減につながった患者さんも多くいます。

「靴が当たると痛いから」という理由で、ほとんど靴のどこにも足が当たらないくらい大きな靴を履いている方がいるようです。

また締め付け感が嫌で、あえて靴紐をゆるく縛っていたり、脱ぎ履きが楽だからと紐を縛っていなかったり。という方も、多くいるのが現状です。


前述の通り、靴がゆるければゆるいほど、歩行時の甲の押さえが不十分となり、足が前にすべって、痛みが集中する部分をより強く刺激してしまいます。


ですから足が痛い時は、靴を幅の細いものにしたり、靴紐をきちんと縛ったりすることが大切です。


後足部から中足部にかけてしっかり締まれば、踵骨の傾きが抑えられます

踵骨の傾きが正常化すると、足のアーチも好ましい状態になります。


実は靴紐を締め直しただけで、骨盤の高さが整い立位姿勢が改善するケースがあります。

同様に足や下肢の痛みが軽減されるだけでなく、痛みそのものが消失した症例もあります。


あなたの足が変だとすれば、 それは靴が悪いからです。

貧農の息子に生まれ、良い靴作りへの執念をもってハイブランドを築いた サルバトーレ・フェラガモの言葉です。


自伝「夢の靴職人」の中には、下記の記述もあります。



靴のフィッティングのときにもう一つ参考にして欲しいのは、正しい幅あわせができない場合、より狭いものを履くことを習慣にするということだ。
(中略)
指先がきつくない限り、できるだけ狭い幅の靴を履こう。痛くはならない。反対に、足の周りを支え、後ろよりではない正しい土踏まずのフィッティングを促す効果に役立つ。


靴選びの参考にしたい名言ですね。

次回は、靴の重さなどについて話したいと思います。

65回の閲覧0件のコメント