院長 原 則行

2021年3月13日2 分

骨と筋肉Q&A③「塩」と「骨」の関係

今回の「骨と筋肉Q&A」は、意外や意外な「塩」と「骨」の関係についてお話します。

Q.「塩分の摂りすぎは骨に悪い」というのは本当ですか?
A. はい、本当です。
 
塩分の過剰摂取は
 
骨にも悪い影響があります。

食塩摂取量と骨との関係性

「高血圧の予防や改善のため、塩分を控えるのが望ましい」ということは、皆さんよくご存じかと思います。

塩分の摂り過ぎによりリスクが高まる病気として、高血圧症はもちろん不整脈心疾患腎臓疾患などが挙げられる点も、一般的に認識されているように思います。

 けれど、塩分の過剰摂取が骨にも悪い影響を及ぼす可能性があることを、知る人は少ないのではないでしょうか。

 余分な塩分は、腎臓で濾過され尿として体外に排出され、同時に塩分=ナトリウムと共にカルシウムも排出されます。

この時、カルシウム摂取量が低かったり、ナトリウム摂取が過剰だったりすると、必然的に尿中へのカルシウム損失量が増加し、付随的に骨格中のカルシウム保持を低下させる可能性があることが研究調査で明らかにされています。

つまり、塩分の摂り過ぎは骨のカルシウム流出につながる危険性があり、しいては「骨粗鬆症」を引き起こすこともあり得るというわけです。

塩と上手に付き合って骨も元気に健康に

近年、日本人の食塩摂取量はやや減少傾向にあります。

とはいえ調味料の使い方ひとつで、厚生労働省による一般の人の食塩摂取量の目標値、男性9g未満・女性7.5g未満(1日あたり)をすぐにオーバーしてしまいます。

  • 減塩タイプの調味料を使う

  • 麺類は汁を飲まずに残す

  • 調味料は濃さを薄く量を減らす

といったことを、日ごろから心がけると良いでしょう。

「塩」と「骨」の関係は、大人だけの問題ではありません。

ある研究では、塩味については幼少期の食生活が味覚の形成に影響を及ぼしていることが明らかにされています。

つまり幼少期から塩分を控えた薄味に慣れておくことで、将来的にさまざまな病気を回避できる可能性が高いということになります。

また骨を健康に保つには、カルシウムの吸収を阻害する可能性があるリン・カフェイン・アルコールも、過剰摂取を控えた方が好ましいです。

  • リン   :インスタント食品、スナック菓子、一部の清涼飲料

  • カフェイン:コーヒー、紅茶、お茶

  • アルコール

などの食べすぎ・飲みすぎに気をつけ、適正量の塩分を使った食生活を心がけ、骨まで元気に日々を送りたいものですね。

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