院長 原 則行

2020年2月24日3 分

疲労骨折①原因、症状、好発部位

最終更新: 2020年7月12日

疲労骨折は、過度のストレス(加重負荷)や緊張が長時間、繰り返し加わることで生じる骨折です。スポーツの過剰な練習=オーバーユースに起因するケースが大多数です。

児童から高齢者まで、また一般競技者からトップアスリートまで、あらゆる層で発生します。中でも筋力の発育や体力的な問題から成長期、中学生・高校生での多くみられるとの報告もあります。

明らかな外傷がないのに、運動時に疼痛が出現、安静時には軽快します。

治療せずに運動を続けると、安静時にも痛みが出現し、日常生活にも支障をきたすようになります。

好発部位と好発競技

右図の通り、疲労骨折は全身のあらゆる部位に発生します。また発生部位はスポーツ種目によって様々です。一定の動きを繰り返す競技は、いずれも注意が必要です。以下に例を挙げていきます。

【仙骨 疲労骨折】

歩行や走行による床反力が股関節から骨盤へ伝わり、さらに腰椎にかかる体重が骨盤へ伝わるため、両負荷の折衝部である仙骨で疲労骨折が発生します。

痛みを訴える部位は、殿部腰、大腿上部など広範囲に及びます。

好発競技:陸上競技(特に長距離)、サッカー、バスケットボール など。

【大腿骨 疲労骨折】

ジャンプや着地の体荷重による上方圧力と、接地で生ずる下方からの突き上げ捻転による負荷が繰り返されることにより、大腿骨にストレスが蓄積されて起こります。

好発競技:陸上競技全般、サッカー、フィギュアスケート、新体操、エアロビクス など。

【脛骨 疲労骨折】

症状はすねの痛みシンスプリントと類似していますが、治療法が異なります。両疾患は鑑別が容易ではなく注意を要します。

好発競技:陸上競技(特に長距離)、サッカー、野球、ラクビ―、バスケットボール、バレーボール、エアロビクス など。

【中足 骨疲労骨折】

足関節のアーチは、スプリングのようにショック吸収の役割を果たします。

ランニングやジャンプによって繰り返し衝撃が加わることで亀裂が発生します。

好発競技:サッカー、バスケットボール、バレーボール、陸上競技、新体操 など。

【中足骨 疲労骨折】

足関節のアーチは、スプリングのようにショック吸収の役割を果たします。

ランニングやジャンプによって繰り返し衝撃が加わることで亀裂が発生します。

好発競技:サッカー、バスケットボール、バレーボール、陸上競技、新体操 など。

【内果・種子骨 疲労骨折】

ヒールコンタクト時の足関節内反ストレス、足部の回内に伴う距骨の回旋足関節過背屈下肢のアライメント異常などが原因とされています。

好発競技:陸上競技全般、サッカー、バスケットボール など。

【肋骨 疲労骨折】

主に体幹のひねり動作などで発生します。咳のしすぎで生じる場合もあります。

好発競技:ゴルフ、テニス、体操、ウェイトトレーニング など。

【尺骨 疲労骨折】

前腕にかかるストレスが過重で高頻度な時に発生します。。

好発競技:剣道、ソフトボール、野球、テニス、バドミントン、バレーボール など。

早期に適切な治療を始めるために

早期の症例では、X線上に明らかな骨折線や変化が認めれません。CTやMRIでさ確認する必要があります。

受診の際は、痛みの場所や痛みの程度、練習の内容や量などを、詳しく医師に伝えることが重要です。できるだけ早い段階で、適切な治療を始めることがスポーツ復帰への近道です。

次回は、治療についてお話したいと思います。

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