院長 原 則行

2020年9月26日2 分

人工膝関節④術後について

手術の翌日または翌々日から

リハビリを開始

術後まもなく立位、歩行訓練を開始します。

長期間のベッド上安静はありません

高齢者の場合、長くベッドの上で過ごすことにより、著しい筋力低下、床ずれ、認知症を併発する場合があります。

けれど早期に歩行訓練を行なうことで、前述のような合併症予防につながります。

リハビリテーションのおおまかな流れは、以下の通りです。

上記の日程は、あくまで目安です。

体力がある患者さんですと、2週間程度で退院される方もいます。

ご高齢などで体力がない方の場合、より時間をかけて十分にリハビリを行った後に退院される方もいらっしゃいます。

このように、入院期間には個人差があります

退院後は、適度に身体を動かすことが大切

人工膝関節の目的は、痛みを和らげ膝を動きやすくすることにあります。

ですから、安静にしてばかりでは本来の意味がありません

また術後は膝周囲の筋肉が一時的に弱くなります。

少しずつ身体を動かし、筋力の回復に努めることも重要です。

パークゴルフウォーキングなどを楽しむようにしましょう。

転倒には要注意

日常生活で最も気をつけなければいけないのは転倒です。

右の写真のように人工膝関節ではなく、ご自身の骨が折れることもあります

また人工膝関節の精度が向上したといっても、恒久的に対応するわけではありません。

人工関節の強度や耐久性は、健康な人の膝には及びません

  • 人工膝関節とご自身の骨の間にゆるみが生じる

  • 軟骨の役割を果たす、クッション素材が摩耗する

といった状況が起こりえます。

ですから退院後も定期的に外来診療にお越しいただき、膝に変化がないか、異常がないかを確認することが欠かせません。

もし不具合が見つかれば、再手術が必要になります。

  • 適切な体重を維持する

  • 重い物の持ち運びは避ける

  • 階段は手すりを使う

  • 衝撃の強い運動(走る、ジャンプなど)はしない

  • 転ばないようにする

といったことを、日常生活で心がけることが大切です。

人工膝関節置換術は、体内に入れた人工膝関節と一生付き合っていくことになる治療法です。

退院後も医師と定期的にコミュニケーションをとることを強くおすすめします。

次回は、患者さんやご家族からよくあるご質問に答えるFAQ形式の記事にて、人工膝関節置換術のご紹介を締めたいと思います。

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