院長 原 則行

2023年11月14日2 分

脚抜け④対応実例:体幹と下肢の連動性を強化

股関節が抜ける、脚に力が走らなくなる「脚抜け」。

身体の異状と向き合いながら競技の継続や復帰を果たした選手のうち、今回は体幹と下肢の連動性を強化することで改善がみられた例を紹介します。

■陸上競技 長距離選手のケース

症状:股関節の可動域が左右で違い、アンバランスな状態。転びそうになる。

原因:以前に股関節を故障乱れたフォームで練習を継続したことによると推測。

対処法

  • 骨盤の動きや臀部の筋肉の動きを確かめたうえで、骨盤の位置を調整拘縮している部位を緩め脆弱している筋肉を補強

  • 骨盤の位置を正しく保つために必要な内腹斜筋の機能を高めるストレッチやエクササイズに取り組む

注目すべきポイント

  • 骨格や筋肉が華奢な選手であったため、鍛える部位を意識したアプローチを行った点

  • 骨盤を整えることで、母指球にしっかり体重がのる=足に力が入る状態を導いた点

  • 下半身が整った後、上半身が乱れないよう肩甲骨まわりの補強を実施した点

正しい筋肉の使い方ができるようになった彼は、「体幹と下肢が連動しないような走り方で練習をしていても意味がない」ことに気づいたそうです。また「フォームが乱れた状態で走り込みなどを行うと、今でも脚抜けの現象が起こりそうになる」と言います。

とはいえフォームの乱れは自分では気づきにくいものです。指摘してくれる第三者がいると、「脚抜け」が生じる前に対策ができるのではないかと思います。

下記に内腹斜筋の機能を高めるセルフトレーニングの一例として、ピラティスの動画を紹介します。

また体幹と下肢の連動をよりスムーズにするために、前回紹介したコアトレーニングについても、積極的に実施することか重要であるのではないかと思います。

参考になれば幸いです。

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